【横浜市青葉区】たまプラーザの名店ベーカリーカフェ『ラ・ベルコリーヌ』が「海の日」に閉店予定。食卓を幸せにしてくれたパンをありがとう。

 東急田園都市線たまプラーザ駅近く、ベーカリーカフェ『ラ・ベルコリーヌ』(横浜市青葉区美しが丘1丁目)さんが2023年7月17日閉店予定となりました。

ラ・ベルコリーヌ

たまプラーザ駅前から続く、坂を上りきった場所にまるで灯台のようにあるパン屋さん『ラ・ベルコリーヌ』さん。

ラ・ベルコリーヌ

クロワッサンの名店としても知られる『ラ・ベルコリーヌ』さん。

たまプラーザに2000年にオープンして以来、ヨーロッパスタイルのパンを作り続けている 『ラ・ベルコリーヌ』さんですが、実はその前に『パンペルデュ』という名前のお店が同じ場所にありました。あわせて約26年間、同じ方がこのお店でパンを焼いていました。

『パンペルデュ』時代からすでに、雑誌で著名料理評論家から「クロワッサン」を高く評価されていました。

また、クロワッサンだけでなく食パンやバゲット、カンパーニュなど、良質の素材を使った飽きのこない食事パンには長年のファンが多いお店です。

夕方には売り切れている人気のパン屋さん。カフェ利用される方も多く、テラス席にはパンでランチを楽しむ方をお見かけしました。それだけに今回の閉店は突然に思われ、驚いた方も多いのではないでしょうか。

ラ・ベルコリーヌ

そんな地域の方へのメッセージを聞きたくて、ご連絡しましたところ、快く「号外NET横浜市緑区・青葉区」の取材に応じてくださいました。

たまプラーザの名店ベーカリー『ラ・ベルコリーヌ』2023年7月17日に閉店します。

2023年6月下旬の夕方、お仕事の合間にお話を伺いました。

 ー 昨年、シュトーレンを焼いていた頃にはもう閉店をお考えだったのですか?

いいえ、その頃には閉店は考えていませんでした。

ラ・ベルコリーヌ

※2022年11月に販売されていたシュトーレン。

 ーたまプラーザ周辺のレストランでは『ラ・ベルコリーヌ』さんのバゲットを置いているお店が多数あります。レストランのみさなまも驚かれたのでは?

そうなんです。それは申し訳ないような気持ちです。

家族に寄り添う時間が必要。キャリアチェンジの決意。

 ー2023年7月のタイミングでの閉店を、以前から考えられていたわけではないと。

そうです。実は母が昨年末、大きな病気をしました。

それでかなり弱ってしまったのです。現在だと夜間、一人になってしまう状況なので。それでも休みの前日には夜間にいるようにしていたのですが。

長く勤めてくれているアルバイトスタッフがいて助かっているのですが、そうは言っても自分一人で行う仕事も多い。家族のための時間を作ることが現在の働き方では体力的にも難しくて。

 ーパン屋さんのお仕事は早朝からスタートするとお聞きします。

週末前は午前4時、平日は午前4時20分からスタートしています。前日に焼いたパンを朝食にしています。

ラ・ベルコリーヌ

 ー早朝からお忙しい生活を20年以上続けられて、今、家族に寄り添いたいという気持ちはとてもよくわかります。

5年後、10年後に閉店を決めても、やはり地域のお客様に申し訳ない気持ちは同じかもしれない。

それなら、今は閉店をしてまずは家族に寄り添い、そして働き方を変えていこうと考えました。

 ー長年通われて、すでにシニアと呼ばれる世代になっているお客様もいらっしゃいますよね。

長く変わらずお店に来ていただいて本当に感謝しています。ありがたいことです。

ラ・ベルコリーヌ

店内の絵は『パンペルデュ』時代からのお客様が描かれたフランスの風景画。

 ーこの20年間、たまプラーザには多くのパン屋さんが出店しましたね。

それぞれの客層がありますね。『ラ・ベルコリーヌ』のお客様はずっと変わらず買ってくださるので、不安なく続けることができました。

長年のお客様へのメッセージ「正直寂しい」でも「感謝の気持ちのほうが大きいです。」

 ーそれだけ長く来てくださるお客様は閉店を知って驚かれたのではないでしょうか。

今回、閉店をお知らせしてから、長年来てくださるお客様から「これからどうすればいいのか家族会議をした」、「どこで買えばいいの」という声をかけていただくこともあります。

お客様の閉店への反応を聞いて、パン作りというのは「ご家庭の食卓に入りこむ」という仕事だったんだな、とありがたく思いました。

 ーご常連の方へのメッセージを聞かせてください。

正直、寂しい気持ちもあります。

でも、『パンペルデュ』、『ラ・ベルコリーヌ』時代と約26年間、この土地でパン屋を続けられて感謝の気持ちのほうが今は大きいです。

パン作りのDNAが伝わっているかも「独立した方が成功しているのも喜びです」

ちなみに『ラ・ベルコリーヌ』さんを経て独立された方は5人。日本各地(※残念ながら横浜市青葉区近隣エリアではありません)でそれぞれ成功しているのもうれしいことだそう。

一般的に開業される方は複数軒のパン屋さんで修業されるとのことで「この店舗以外でもお勤めされていたから」と控えめに語られる『ラ・ベルコリーヌ』さん。

とはいえ、『ラ・ベルコリーヌ』さんの「パン作りDNA」とも呼べるなにかは息づいているのではないでしょうか。

一軒だけ教えていただいたのが長野県佐久市のベーカリーTETE(テテ)さん。

佐久市に行ったときはぜひ立ち寄りたいです。

過去記事で振り返る『ラ・ベルコリーヌ』さんのパン

号外NET過去記事で『ラ・ベルコリーヌ』さんのパンを振り返ります。

キャンプのとき、おやつに、ワインのお供に、手土産に重宝したバゲット。

【横浜市青葉区】たまプラーザのベーカリーカフェ『ラ・ベルコリーヌ』さんのバゲットやサンドイッチ、ワインのおつまみにもおやつにも!

ちなみに調理パンはあくまでも「パンありき」とのことで、パンが主役となる味わい。パンを美味しく食べることを大事に作られているというお話が印象的でした。

こちらはバゲットを使った調理パン。チーズとトマトにジェノベーゼソースが香るぜいたくな一品です。トマトにしっかりした甘さがあり、生地を引き立てます。

ラ・ベルコリーヌ

クリスマスを待つ時季のお菓子シュトーレン。

時間をかけてバターをたっぷり染み込ませた味は寒い時季の自分へのごほうびになる一品です。

「クリスマス前の時季に一年ぶりで作りますから、ドキドキして作っているんです。」というインタビューのときの言葉が印象的でした↓

【横浜市青葉区】「ラ・ベルコリーヌ」さんのクリスマス菓子「シュトーレン」。ずっしりとした重みと日持ちする理由をお聞きしました。

お花見のあと、カフェ利用するのも幸せな時間でした。

【横浜市青葉区】たまプラーザ駅前から鷺沼方面へ。満開の桜をお花見散歩。桜並木近くのカフェ利用もうれしい季節です。

夕方に子どもと選ぶチーズのパン。 

戸棚に隠しておきたい、焼き菓子「アーモンドチュイル」。

ラ・ベルコリーヌ

素材を生かした焼き菓子はコクのある味わい。乾燥剤が袋に入れてあるので、梅雨時でもサクサク感が保たれています。

ラ・ベルコリーヌ

 

ラ・ベルコリーヌ

26年もの間、日々、変わらずたまプラーザでおいしいパンを焼いてくださった『ラ・ベルコリーヌ』さん。

お忙しいなか、質問に丁寧に答えてくだいました。

ラ・ベルコリーヌ

インタビュー中は終始、長年のお客様への感謝を述べられていました。

「今は家族に寄り添いたい」、というご自身の気持ちを大切にしての決断も共感される方が多いのではないでしょうか。

ラ・ベルコリーヌ

 

美味しいパンと、素晴らしい時間をありがとうございました。

ラ・ベルコリーヌ

残り少ない時間ですが、バゲット、クロワッサン、カンパーニュ、サンドイッチ…『ラ・ベルコリーヌ』さんの滋味あふれるパンを大切に噛みしめて味わいたいと思います。

ichika

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