【横浜市青葉区】10月からあざみ野店でも提供『100本のスプーン』のシェフに衝撃を与えた未利用魚「シイラ」を使ったフレンチな3品を試食しました。
2023年10月2日より、『100本のスプーンあざみ野ガーデンズ店』(横浜市青葉区大場町)に「未利用魚」を使った注目の新メニューが登場予定です。
東京メトロ有楽町線豊洲駅から徒歩約2分『100本のスプーンTOYOSU』(東京都江東区豊洲2丁目)にて試食会に参加しました。
その新メニューは「もったいないをおいしく食べる」和歌山県すさみ町産 白身魚のムニエル、魚介のフリットと食べるタルタルソース、和歌山県すさみ町産 白身魚のフライ、というように、和歌山県すさみ町でとれる魚「シイラ」を食材にした料理です。
今回の新メニュー開発は『100本のスプーン』×『すさみ町』×『クラダシ』の連携プロジェクトです。
自然豊かな町である和歌山県すさみ町は高齢化に伴い、漁師の数がピーク時の330人から約80人まで減っています。
伝統漁業である「ケンケン漁」は消えゆく産業として懸念されています。「人口減に悩むすさみ町の課題解決にも繋げたい」という思いが込められています。
2023年8月中旬、『100本のスプーンTOYOSU』にて和歌山県すさみ町の漁業の現状や「未利用魚」について教えていただくとともに、料理長の解説を伺いながら、新メニューを試食しました。

100本のスプーン TOYOSU
『100本のスプーン』×『すさみ町』×『クラダシ』の連携による「未利用魚」シイラを活用した新メニュー。
猛暑日が続く2023年8月上旬、クラダシ広報ご担当者様より「和歌山県すさみ町の未利用魚を活用した新メニューを体験しにお越しください。」と号外NETに連絡がありました。
食に関する「 SDGs」は号外NETも注目しているテーマのひとつ。早速取材に伺いました。
2023年5月に『たまプラーザテラス』に初の常設店をオープンした『クラダシ』さん。
クラダシは「お買い物でフードロスを削減できる」仕組みのショップをEC及びリアル店舗で運営し、社会貢献の支援も行う会社です。↓
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号外NET横浜市緑区・青葉区担当者は東京メトロ有楽町線に乗り、豊洲駅へ。『アーバンドック ららぽーと豊洲』の1階、『100本のスプーンTOYOSU』へ向かいました。
新メニューの全店舗での展開に先駆けて、すでに2023年8月7日からは東急田園都市線・大井町線二子玉川駅から徒歩約5分『100本のスプーン FUTAKOTAMAGAWA』(東京都世田谷区玉川一丁目)と『100本のスプーン TOYOSU』の2店舗のみ先行して発売、好評とのことです。

『100本のスプーン FUTAKOTAMAGAWA』場所は二子玉川ライズ内、二子玉川 蔦屋家電の向かい側にある建物の一角です。
ところで「未利用魚」って何ですか? 市場価値が付きにくい魚があります。
人口約3,700人の和歌山県すさみ町では「ケンケン漁」という伝統漁法でとれる「ケンケン鰹(かつお)」が有名です。
しかし、鰹漁の際にとれる鰹以外の魚は市場価値が低いため「未利用魚」となってしまう地魚はフードロスの問題として深刻です。
鰹を追いかけて、とれるシイラも「未利用魚」です。
くせのない白身魚の「シイラ」はハワイでは「マヒマヒ」と呼ばれ、レストランでよく使われるお魚です。
日本では九州などでも食べられています。実は夏場は相模湾沖でも釣れます。しかし流通する食材としては「マイナー」な存在かもしれません。
現地に足を運んだシェフの衝撃。「東京のレストランで戦える食材」
「すさみ町にはクラダシさんのお声がけで行ってみたのですが、現地で衝撃を受けました」というのは『100本のスプーン』総料理長高橋徹也さん。
すさみ町のシイラに「東京のレストランで戦える食材」という可能性を感じた高橋料理長。
「料理の素材として申し分ない魅力を感じました。それなのに近隣の大都市の市場では十分な値段が付かない。結果として現地でしか消費されていない「もったいない」状況です」とのこと。
ちなみに地元の方はお刺し身やカレー味のフライにして食べていると教えてくれました。
見た目が怖くて人気がない?! レストランで調理するために必要なこととは。
「シイラは見た目も怖いから人気がないですよね。なにしろ皮も緑ですし」と高橋料理長。
大きい! たしかにお魚のなかでもちょっと怖い「見た目」かもしれません。

※写真提供:「100本のスプーン×クラダシ新メニューお披露目会」
気さくなお人柄の高橋料理長、なんと、シイラを現地で調理、関係者にふるまったそう。
そしてレストランで使えるようにする処理方法を打ち合わせしました。高橋料理長によると「シイラはなるべく早く皮や腎臓などの内臓を取り除く必要がある。」とのこと。その処理をしてから、現地で冷凍したものを仕入れています。
和歌山県すさみ町の白身魚「シイラ」を実際に食べてみた。
新メニューをハーフポーションでご提供いただき、試食しました。
■「もったいないをおいしく食べる」和歌山県すさみ町産 白身魚のムニエル
しっとり焼き上げたシイラに、ミントが香る爽やかなラヴィゴットソースを合わせています。
香味野菜に酢やオイルを合わせたラヴィゴットソースは魚料理に使われるフレンチのソースだそう。スパイスも強いものはなく、どなたにも好まれそうな優しい味わいです。
お肉に負けないほどのしっかりした存在感とボリューム感におどろきます。これは「シイラ」ならではと言えそう。
スパークリングワインやフルーティーなビールと一緒にじっくり食べたくなりました。
高橋料理長は「ペアリングするのなら、白ワインが相性がいいです。」とにっこり。

※写真提供:「100本のスプーン×クラダシ新メニューお披露目会」 「もったいないをおいしく食べる」和歌山県すさみ町産 白身魚のムニエル価格1,880円
■『魚介のフリットと食べるタルタルソース』
さきほどのムニエルと雰囲気が変わって、今度は「カジュアル」な仕立ての「魚介のフリットと食べるタルタルソース」。
「お好みの薬味を混ぜ合わせて自分だけのタルタルソースで魚介とポテトのフリットをお楽しみください」とのこと。
シイラのほかに、イカやエビも入って味の変化にワクワクできる、楽しい一品です。
子どもと一緒に手づかみで食べても楽しいかも! ※16時からの販売となります。

※写真提供:「100本のスプーン×クラダシ新メニューお披露目会」『魚介のフリットと食べるタルタルソース』価格1580円 ※16時からの販売となります。
■『和歌山県すさみ町産 白身魚のフライ』
一口食べて、「ジューシィ!」と声に出てしまうほど。
細やかな香草パン粉を使ったフライ、 ほのかに香るスパイスはガラムマサラが入ったオリジナルだそう。
ぜいたくに分厚くカットされたシイラ、柔らかくサクっとした衣による軽やかな食感がたまりません。
この日は夏野菜が添えられていて、華やか。
自家製タルタルソースを付けながら味わいます。風味が良いのでまずは一口、そのまま味わってみても良さそうですね。

※写真提供:「100本のスプーン×クラダシ新メニューお披露目会」 『和歌山県すさみ町産 白身魚のフライ』価格 1,880円(予定)
ちなみにシイラの骨抜きはレストランで行っているそう。子どもからシニアまで安心して食べられる一皿にはレストランの丁寧な仕事が詰まっています。
東京で流通することが漁業関係者のモチベーションに
漁業従事者の高齢化や漁船に必要な燃料費の高騰が話題になるように、漁業関係者を取り巻く状況は簡単ではありません。ときには船を出すことを控えてしまうこともあるそうです。
しかし「東京で流通される」というのは漁業従事者のモチベーションアップに繋がっているそう。

※写真提供:「100本のスプーン×クラダシ新メニューお披露目会」
インターンシップで大学生が「ケンケン漁」や「スルメイカ漁」を体験。
2022年にインターンシップ「クラダシチャレンジ」として『すさみ町』と繋がってきた「クラダシ」さん。5名の大学生がすさみ町に滞在し「ケンケン漁」や「スルメイカ漁」を体験しました。
そして2023年7月からは「クラチャレふるさとだより」として「クラダシチャレンジ」で関わった地域の野菜や果物をECサイトにて現地直送で販売しているそうです。
これには学生のアイディアが採用された商品もあるそう。
『すさみ町』からは「濃厚な肝も必食!旨味あふれるスルメイカを丸ごと凍結」、「漁師秘伝!生き〆 船上干しするめ」(※干しするめは2023年8月19日時点で売り切れ表示)などが出品されています。
クラダシでは「これからも日本全国の地域経済の活性化や特産品の魅力発信を実現したい」として2023年後半も和歌山県のほか島根県益田市での梨の収穫、京都府での丹波栗収穫、北海道仁木町でのワイン用ブドウの収穫を予定しているとのことです。
今回の試食会では3品新メニューを提供していただきましたが、その食べ心地の満足感に改めて「日本の魚料理の良さ」を感じました。
気になる方は『100本のスプーン』に足を運んでみてはいかがでしょうか。
※全店舗での新メニュー提供は2023年10月2日からになります。価格・内容は変更になる場合があります。最新情報は店舗にお問い合わせください。
※記事中にあります、試食した料理の写真はハーフサイズとなっています。盛り付けなどが異なる場合があります。実際に販売されるシイラのメニューはフルサイズのみです。
※記事中の料理は「100本のスプーン×クラダシ試食会」にてご提供いただきました。
『100本のスプーンあざみ野ガーデンズ店』
『100本のスプーンTOYOSU』
『100本のスプーン FUTAKOTAMAGAWA』